10%投資法
この記事では「10%投資法」について、そのやり方の紹介と有効性を検証します。
10%投資法は投資という名前がついているので元々は株とかFXとかの投資向けなのかもしれませんが、それをギャンブルにも応用したやり方となります。
10%投資法のやり方
やり方はとても簡単です。自己資金の10%をベットしていく形です。
例えば手持ちの資金が$500あれば、その10%ですから、$50をベットして賭けます。
手持ちの資金が$350なら、その10%の、$35を賭けることになりますね。
その都度、手持ち資金を確認する
資金は変動しますので、その都度、自分の手持ちの資金を確認しておく必要があります。
賭けたあとは、勝負に勝利するか負けるかするので、自己資金が変化していきますので、次のベットでも資金を確認してからベットすることになります。
事例1)
$500持ちでスタート
No | ベット額 | 勝ち負け | 損益 | 自己資金 |
---|---|---|---|---|
1 | 50 | 勝ち | 50 | 550 |
2 | 55 | 勝ち | 55 | 605 |
3 | 61 | 負け | -61 | 545 |
4 | 54 | 負け | -54 | 490 |
5 | 49 | 勝ち | 49 | 539 |
こんなイメージです。
10%投資法が使えるギャンブル
使えるギャンブルは何でも構いません。バカラ、ルーレット、ブラックジャック等のカジノ系ギャンブルで適用できます。スロットは現実的じゃないです。
でも個人的にはバカラ、ブラックジャック、ルーレットの赤黒のような、確率1/2で配当2倍のギャンブルではあまりやらない方がいい気がします。
ルーレットやブラックジャックなら例えば↓このようなケースで使うとよいかと思いました。(その理由は後で)
・自己資金の10%をルーレットの複数エリアに分散して賭ける。
・ブラックジャックテーブルで自己資金の10%を2ハンドに分けて(つまり1ハンドに5%ずつ)賭ける。
オンラインカジノでやり方を解説
ブラックジャックをサンプルとしています。
まず自己資金€1330→ベット額は10%なので€133でプレイ。端数が出る場合は四捨五入でも切り捨てでも切り上げでも構わないでしょう。
画像はベラジョンカジノより
負けた場合は賭け金の€133を失うので、自己資金は€1197に。
次の勝負は資金€1197の10%なので、€119をベット。
今度は勝利しました。これにより資金は€1316へ。次のベットをするなら€131を賭けることになるでしょう。
このようにオンラインカジノでやれば10%投資法は自己資金が画面上に表示されているので、やり方はとても簡単ですね。
ランドカジノでやる場合は手持ちのチップを確認しないといけないので、大変です。
10%投資法の賭けの特徴と、有効性を検証
例えば確率1/2で当たり、配当が2倍になるようなギャンブルを想定します。
必ず一定の資金の10%を賭けることになりますので、
・勝負に勝ったあとの次の勝負は前の賭け金よりアップ
・勝負に負けたあとの次の勝負は前の賭け金よりダウン
しますよね。
そうすると勝ってる間は賭け金が増えていき、負けてる間は賭け金が減っていきます。
負けてるのに賭け金が減るから、負け分の取り戻しが難しいのはすぐ理解できます。
これが10%投資法の賭けの特徴です。
次に事例をみてみましょう。
●事例1
これは$500スタートで、6回勝負をしたケース。 3連勝→3連敗としました。つまり負け数と勝ち数は一緒。でも、最終的な自己資金は$500から$485へと減少してます。
No | ベット額 | 勝ち負け | 損益 | 自己資金 |
---|---|---|---|---|
1 | 50 | 勝ち | 50 | 550 |
2 | 55 | 勝ち | 55 | 605 |
3 | 61 | 勝ち | 61 | 666 |
4 | 67 | 負け | -67 | 599 |
5 | 60 | 負け | -60 | 539 |
6 | 54 | 負け | -54 | 485 |
●事例2
こちらも$500スタートで6回の勝負。3連敗からの3連勝。残念ながらこちらも勝ち数と負け数が一緒なのに$500から$484へ減少。
No | ベット額 | 勝ち負け | 損益 | 自己資金 |
---|---|---|---|---|
1 | 50 | 負け | -50 | 450 |
2 | 45 | 負け | -45 | 405 |
3 | 41 | 負け | -41 | 364 |
4 | 36 | 勝ち | 36 | 400 |
5 | 40 | 勝ち | 40 | 440 |
6 | 44 | 勝ち | 44 | 484 |
●事例5
こちらは勝ち→負けを交互に繰り返したようなケース。こちらも勝ち数負け数が一緒なのに最終的な自己資金は$485に減少。
No | ベット額 | 勝ち負け | 損益 | 自己資金 |
---|---|---|---|---|
1 | 50 | 勝ち | 50 | 550 |
2 | 55 | 負け | -55 | 495 |
3 | 50 | 勝ち | 50 | 545 |
4 | 55 | 負け | -55 | 490 |
5 | 49 | 勝ち | 49 | 539 |
6 | 54 | 負け | -54 | 485 |
つまり勝ち数と、負け数が同じなのにどっちにしても自己資金が減ってしまうベッティングシステムになってしまうのです。
確率1/2のギャンブルですから、勝ち数も負け数も同じぐらい発生するので、これらのケースは現実的に起こりえる事象でしょう。
1回多めに勝たないとダメ→1回多めに勝てばOK
事例を見てわかるとおり、勝率が同じでは資金が減ってしまいますので、1回多めに勝つのを目標にこの戦略を使うのが望ましいですね。
やはり株式投資のように一定の利益が見込めるストリークでの再投資に有効な投資方法なのかもしれません。
ベッティングシステムの中には勝ち数のほうが少なくても資金では増やすことが出来るシステムもありますが、10%投資法はその逆ですね。勝ちが見込める勝負で(ローリスクで)ローリターンを取りに行くシステムなのでしょう。
勝率の高いギャンブルで使う10%投資法
例えばどんなギャンブルなら可能性があるか、ですが、ルーレットの6ラインベット5本を考えてみましょう
このエリアに5つのチップを使ってベットしてみます。
「6ライン」と呼ぶエリアです。文字通り6つのナンバーをカバーします。配当は5:1なので、$1賭けて勝利すれば$6の戻し。
この6ラインベットを5か所カバーします。つまり全部で37個あるナンバーのうち、6個×5=30個のナンバーをカバーするチップの置き方となります。
カバーするナンバー 37個中30個
勝率 30/37 = 5/6
配当 5:1
30/37の確率で勝利になるので、かなり勝率は高いでしょう。およそ6回中5回は当たる。
けど10%投資法でオッズどおりの6回中5回の勝率だと資金はマイナスになります。
●事例6
ルーレットのケースなので複数エリアにベットするから、1か所に賭ける金額を計算します。
$500持ちなら10%の$50をベットしますが、これを5つのエリアに賭けるので、割る5をした$10チップを5枚配置するような所からスタートになります。
カジノにおいて小数点のチップはありませんが、イメージを掴むためにあえて小数点で表記しています。
No | ベット額 | チップ | 勝ち負け | 損益 | 自己資金 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 50.00 | 10.00 | 勝ち | 10.0 | 510 |
2 | 51.00 | 10.20 | 勝ち | 10.2 | 520.2 |
3 | 52.02 | 10.40 | 勝ち | 10.4 | 531 |
4 | 53.06 | 10.61 | 勝ち | 10.6 | 541 |
5 | 54.12 | 10.82 | 勝ち | 10.8 | 552 |
6 | 55.20 | 11.04 | 負け | -55.2 | 497 |
事例7
No | ベット額 | チップ | 勝ち負け | 損益 | 自己資金 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 50.00 | 10.00 | 負け | -50.0 | 450 |
2 | 45.00 | 9.00 | 勝ち | 9.0 | 459 |
3 | 45.90 | 9.18 | 勝ち | 9.2 | 468 |
4 | 46.82 | 9.36 | 勝ち | 9.4 | 478 |
5 | 47.75 | 9.55 | 勝ち | 9.6 | 487 |
6 | 48.71 | 9.74 | 勝ち | 9.7 | 497 |
でも7回中6回勝てばプラスになる。しかも勝率は高いから勝利の方が先行しやすいはずですよ。
7回目の勝負で↓こうなればよいだけですので
事例6の続き
No | ベット額 | チップ | 勝ち負け | 損益 | 自己資金 |
---|---|---|---|---|---|
7 | 49.68 | 9.94 | 勝ち | 9.9 | 506.8 |
事例7の続き
No | ベット額 | チップ | 勝ち負け | 損益 | 自己資金 |
---|---|---|---|---|---|
7 | 49.68 | 9.94 | 勝ち | 9.9 | 506.8 |
こんな感じになります。
しかしこれを長く続けるとダメ。
確率に収束していくので6回中5回の勝率にむかっていき、資金は目減りしちゃうでしょう。資金が増えたタイミングで止めるようにしないと。
少ない試行回数で勝利をもぎ取り、ちょっとだけプラスで帰路につく。そんな使い方がベターかと思います。
10%投資法のメリットは何なのか?
ではあまり良いところが無い10%投資法ですが、メリットは無いのかということですが、一応あります。
それは資金がゼロにはならない、ということでしょうね。資金の10%だけをベットするので全額失うことはありません。 まぁ続けていくと限りなくゼロに向かうんですけど。
あとメリットと言えば、好調のときや連勝してるときは伸び率がイイ。不調のときは賭け金が安くなっていくので、自然と連敗時のリスク対策になる。
かなり無理して褒めてもこんなもんです(´・ω・`)
10%投資法のデメリット
デメリットは何と言っても「儲かる気がしない」ことにつきます。
その理由を分解すると以下の通り。
- 資金確認と10%の計算が面倒
- 勝率が同じでも資金はマイナスになる
- 継続してこの戦略を使い続けると、確率に収束して結局損する
- 個人的には勝ち筋が見えない
1回多めに勝てば利益が出るってんなら、別に10%をベットしなくたってよく、フラットベット(常に一定額ベット)を続ければよいだけ。
以上、まとめとしてはこんな感じです。
10%投資法のシミュレーターで確認
10%投資法のアルゴリズムをプログラムで実装しました。シミュレーターを作りましたのでこちらのページで検証ができます。
バカラのプレイヤーベット
バカラのプレイヤーベットは概ね1/2で勝利して、当たれば倍の配当が得られるギャンブルです。
・1000ドル持ちで30回プレイ
30回プレイを9クールやりました。なのでグラフが9個あります。
グラフの見方ですが横軸が試行回数、縦軸が資金を表していて、紫の線が資金の増減です。緑の線は賭け金の増減ですが、あまり見る必要はありません。
初期の資金より増えたのが5回、減ったのが4回。予想してたよりまぁまぁいいですね。
赤の横線は初期の資金のラインです。
・1000ドル持ちで100回プレイ
同じ条件で30回ではなく100回のギャンブルを試行。それを9クール実施。
初期の資金より増えたのは2回です。やはり試行回数が増えるほど損をする傾向があります。やらない方がいい。
ちなみになぜバカラのプレイヤーベットなのかというと、バンカーベットで勝利したときのリターンが95%だからです。5%もハウスに手数料として取られてしまうので、プレイヤーベットはしない方がよいと思いました。
今回はバカラを想定した10%投資法のシミュレーションですが、他の1/2ギャンブルでもこのような結果になるでしょう。
ルーレットの6ラインベット5本
こちらが先ほど紹介した勝率が良いと言われる(配当は安いけど)ルーレットで6ラインベット5本をやったときのシミュレーション結果。
・1000ドル持ちで30回プレイ
30回プレイを9クール実施。
30スピン後に自己資金が増えたのは7回。やはり勝率が良い分、資金が増えたという事でしょうか。
・1000ドル持ちで100回プレイ
こちらは資金が増えたのが2回。7回はマイナスで終了。6ラインベット5本のほうも10%投資法で長く続けるのはリスキーだとわかりましたね。
ということで長々と解説と、検証をしてきましたが、10%投資法はやるべきじゃない戦略だ、ということで結論です。
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