カジノの有利性を表す用語の整理
オンラインカジノでしばしば「控除率」「ハウスエッジ」「ハウスアドバンテージ」「還元率」「ペイアウト率」という言葉が使われます。これらは主にカジノ側の有利度を表す言葉として使われますが似たような言葉なのでこの記事で整理します。
オンラインカジノではすべてのゲームにおいてカジノ側が有利になるような仕組みを導入しており、そのために必ずカジノ側は儲かるように出来ています。カジノの有利度は実はそれほど高くないように見えますがプレイヤーがたくさんいるから問題ありません。またプレイヤーへ満足いく支払いをしないと客離れが起きてしまうので上手にバランスが取られているのです。
当サイトでもこれらの言葉は一律同様の意味で使っておりまして、前後の文脈でカジノ側がどれぐらい有利なんだな、どれぐらいピンハネしてるんだな、というのがわかるかと思いますが。英語の意味合いだと若干違うようなので自分の理解ですがまとめました。良かったら読んでおいてください。
控除率・ハウスエッジ・ハウスアドバンテージ・還元率・ペイアウト率の概要
それぞれの意味を整理してみました。
ハウスアドバンテージ | これはカジノ側の有利度を%で表しています。Houseというのがカジノのことを表しています。 |
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ハウスエッジ(控除率) | 英語でHouse Edge。Edgeには優勢、刃、端なんて意味がありますので私のイメージでは、プレイヤーへの報酬からカジノ側がピンハネしてる率ですね。控除率=ハウスアドバンテージと表現する場合もありますが厳密にはハウスエッジのほうが近い気がします。 |
還元率 ペイアウト率 RTP |
RTP=Return to Playerです。還元率もペイアウト率もRTPも全部同じ意味です。どれぐらいプレイヤーに戻してるかを%で表しています。ハウスアドバンテージやハウスエッジの逆です。ハウスアドバンテージ、ハウスエッジが10%だとしたら、還元率は90%になります。 |
あとで計算の仕方もまとめて解説します。
オッズには2つある
もろもろの用語の説明の前にオッズについて理解を深めておいた方が良いと思うのでここで解説。
オッズ(odds)とは訳すと確率、勝ち目、勝算、賭け率などと訳されますがオンラインカジノの世界では2つあります。
1つは「真のオッズ」であり、もう1つは「ハウスオッズ」です。この2つの違いについても理解を深めて行きましょう。
ケーススタディ:架空のトランプゲーム
理解のために例としてトランプのゲームを使います。
1組52枚のカードから1枚を引き、これが「ハート」を引いたら勝利。というゲームを考えます。
このときの勝利配当が2倍(2:1)だったらどうでしょうか?つまり$10を賭けたら$20が利益としていただける状況です。(このときの配当のことをカジノ側が設定している払戻金なのでハウスオッズと呼びます)
ハートが出る確率は1/4で、それにたいして2倍の配当です。このゲームあなたは勝負したいと思いますか?
例えば$10ベットを4回チャレンジしてみましょう。(1回引いたカードはまた山に戻しシャッフルされる)
1回目 → はずれ -$10
2回目 → はずれ -$10
3回目 → あたり +$20
4回目 → はずれ -$10
ハートが出る確率は1/4なのでこのような結果になるかもしれませんね。トータルすると-$30+$20=-$10となっていてあなたの資金は損してるはずです。当たりが出る確率に比べてハウスオッズが安いことがわかります。
では、ハウスオッズがいくらだったらカジノ側はピンハネしてないことになるでしょうか。実はそれこそが「真のオッズ」なのです!
=外れの数 ÷ 当たりの数
答えは「外れの数 ÷ 当たりの数」で計算します。1組52枚のカードのうち当たりはハートのA~Kまでの13枚。外れはその他のカードなので39枚です。
39/13= 3/1 = 3
ということで真のオッズは3倍となります。ハウスオッズが真のオッズである3倍に設定されていたらこのゲームはカジノ側の有利性は無く取り分が0の状態です。
ケーススタディ:ルーレット
別の例でも見てみましょう。ルーレットで考えるとわかりやすいと思いますので事例で出していきます。
ルーレットには2種類あり「ヨーロピアン」と「アメリカン」のタイプがあります。1~36までの数字が書かれたポケットと[0]を含む合計37個のポケットがあるのがヨーロピアンです。アメリカンはこれに加えて[00]ポケットがあるので合計38ポケットあるわけですね。
ヨーロピアンタイプで説明します。
1~36までの数字のうち18個は「赤」で、もう18個は「黒」のカラーがついています。[0]は緑色です。
ルーレットには赤黒ベットがあり1倍の配当です。
赤が出る確率は全数字37個のうち18個が赤ですので、18/37の確率です。同様に黒が出る確率も18/37です。18/37=48.65%です。
48.65%の確率で配当が1倍なので、若干カジノ側に有利なことがわかるでしょう。50%の確率で配当が1倍であればトントン(ハウスアドバンテージ0%)だったのですが・・
赤 or 黒の真のオッズは先ほどの計算式をつかえば、「外れ数÷当たり数」なので19/18=1.0555です。赤 or 黒ベットの配当が真のオッズと同じ1.0555ならカジノ側の取り分はナシとなります。
ということで真のオッズと、ハウスオッズの違いが分かったと思います。カジノがどうやって儲けているか理解が進んだのではないでしょうか?それと同時にどのゲームでもどこにベットしてもカジノが有利なんだなぁと理解しましょう。
そんな中でどうやって攻略していくかが面白いわけです。
控除率・ハウスエッジ・ハウスアドバンテージ・還元率・ペイアウト率の詳細と計算方法
ここから具体的にこれらの計算の仕方も解説していきます。
ケーススタディ:架空のトランプゲーム
先ほどの架空のトランプゲームを例にします。
>ハートが出る確率は1/4で、それにたいして2倍の配当
このハウスアドバンテージはどれぐらいか計算してみましょう。
= 当たる確率 ×(真オッズ – ハウスオッズ)
式に当てはめると当たる確率は13/52で、真オッズ-ハウスオッズは3-2なので以下の式となります。
13/52 * (3 - 2) = 13/52 = 0.250.25なので25%のハウスアドバンテージということがわかりました。≫つまり還元率でいえば75%です。
このゲームはハウスアドバンテージが25%と非常に高いのであまり勝負すべきゲームではないことがわかりますね。
ケーススタディ:ルーレット
先ほどのルーレットの例でハウスアドバンテージの計算をしてみましょう。
>18/37の確率で当たる赤黒ベット(1倍)
ハウスアドバンテージの計算式 = 当たる確率 ×(真オッズ – ハウスオッズ) なので
18/37 * (19/18 - 1) = 18/37 * (19/18 - 18/18) = 18/37 * 1/18 = 1/37 = 0.027027 ≒ 2.70%となります。
ルーレットの赤黒ベットのハウスアドバンテージは2.70%ということがわかりました。
ルーレットには赤黒ベット以外にもたくさんのベットがあります。たとえば1/37の確率に賭ける1点賭け(ストレートアップベット)です。
ハウスアドバンテージは
1/37 * (36/1 - 35) = 1/37 * (36 - 35) = 1/37 * 1 = 1/37 = 0.027027 ≒ 2.70%です。
実はルーレットはどこに賭けてもハウスアドバンテージが2.70%だったりします!したがってRTPは97.30%となるわけです!
ケーススタディ:架空のトランプゲーム2
先ほどと似てますが今度は52枚のカードを伏せた状態から1枚を引き、その絵柄の色が赤色(ハートとダイヤどちらか)だったらあなたの勝ち、というゲームを考えてみましょう。
赤が出たらあなたの賭け金を1倍で支払います。(1:1) つまり$100をベットして赤が出たら、$100の利益となる配当です。
ちなみに勝つ確率を計算すると、赤色の絵柄が出る確率は4枚中2枚が赤色なので(2/4)で、50%です。
この確率と配当に対してカジノ側の利益は全くありません。ハウスオッズ=真のオッズとなっているわけなので、つまり控除率、ハウスエッジ、ハウスアドバンテージとも0%です。
ではもし「あなたへの配当から5%だけ手数料として差し引きますよ」というルールがあったとしたらいかがでしょうか。 カジノ側は場の提供とゲームの進行・お金の管理をする手数料として勝利金からすこし頂くことにしたわけですね。
つまり$100をベットして赤が出ても$95の利益しかないわけです。このときカジノのペイアウト表では【 0.95 : 1 】と表現します。
これはカジノ側がピンハネしてる率としてハウスエッジ(控除率)=5%と言えます。
実際バカラというゲームではBANKERベットで勝利したとき、1:1で支払うのではなくて現実には5%差し引いた分をプレイヤーに戻してます。
このように払い出し部分からカジノが上前を撥ねるのこそ、ハウスアドバンテージじゃなくてハウスエッジ(控除率)と呼ぶのに相応しいように思いませんか。
ビデオスロットのRTP
ビデオスロットでは還元率(ペイアウト率)やReturn to Playerという表現をする事が多いように思います。
ビデオスロットはそれぞれリールやグリッドに絵柄が描かれていて絵柄がそろえば配当金がいただける仕組みですが、リールの絵柄の並びは不明ですし、そもそもリールが無くランダムに絵柄が出現するし、テーブルゲームのように確率が求められるような仕組みにはなっていません。
ビデオスロットは各機種ごとにマニュアルにRTPの数字が公表されている場合があるので、そこを見て判断しましょう。RTP=93%のスロットがあれば、RTP=97%というスロットもあったりします。どちらでプレイしたら儲かる可能性があるかというのは一目瞭然です。
※プログレッシブジャックポットは例外として考えよう
ジャックポットは全世界のプレイヤーの負け分から数パーセントをプールしている仕組みです。大当たりのジャックポットを引いた人に今までのプール金をドバッと払い出す仕組みなので場合によっては一撃で●億円などの高配当も期待できます。けどほとんどこんな当たりは出ません。
公表されているRTPを見てジャックポット込みなのかそうでないのかもチェックしてください。ジャックポット込みでRTPが高いとすれば、基本ゲームでの小粒な当たりが出にくいスロットだと理解できます。
RTPの前向きな理解と後ろ向きな理解
「コップに半分もジュースが入ってる」と思うか「コップに半分しかジュースが入ってない」と思うかは人それぞれです。ポジティブな人は前向きにとらえてください。
なんのこっちゃと思いますが、スロットのRTPというのは1スピンあたりどれぐらい負けるかを表しているといえます。
例えばRTP=95%だとすると。1万円まわしたときに買ったり負けたりしつつも9500円も手元に残ってる!と言えます。
後ろ向きな言い方なら1スピンあたり$1を使う人なら1スピンあたり$0.05ずつ取られていると言えます。(笑)だからスロットはやり続けるほど負けが増えていく仕組みなので、どこかで大きく勝てた時に辞めて確定させたほうが良いと思います。
カジノはイカサマ無しでも儲かっちゃう
ここまで見てきていただいたようにカジノ側には必ず優位性が設定されているので、イカサマや意図的な出目の調整なんかしなくても儲かるようになっています。
また全てのプレイヤーが皆さんのように上手に攻略法やベッティングシステムを使ったりしてカジノ側の勝ちを少なくすることを目指しているプレイヤーばかりではありません。宝くじのように夢を買うような気持ちで大金を落としていく上客もいるわけです。
日本ではパチンコやパチスロがあるせいでしょうか、あるいはイカサマで勝つ漫画が多いせいか。「裏で操作されてる」「ディーラーの技術で好きな目を出せるに違いない」と思う人が多いと思いますが現実はそんなことする必要が無い、ということなんですね。
控除率・ハウスエッジ・ハウスアドバンテージを下げる方法
カジノゲームをするとき多くのケースでは「運」が基本となっています。ブラックジャックやポーカーのように技術を要素とするゲームもあります。カジノ側はいずれの場合にしても賭け金から利益を出すことを目的としているし、実際に有利性がそうさせています。
そんな中でプレイヤーは自分こそは儲かりたいと思ってるかもしれません。攻略法のなかの1つにハウスエッジ・ハウスアドバンテージを下げる方法があります。
それはオンラインカジノのボーナスやキャンペーンを活用すること。です。
ボーナスやキャンペーンはまるまるプレイヤーの利益となります。ただ多くのオンラインカジノでは利益が出てもその額は1回の飲み代で終わってしまう程度しかもらえないか、簡単には現金化できないルールで縛られています。
しかしデータで示すように(これは実際にオンラインカジノで働いている中の人に聞いた話)キャンペーンでプレイヤーが得た利益の40%程度は実際に損金計上されているそうです。(本当に信じられない!)いつも利用できるとは限りませんがキャンペーンやボーナスはプレイヤーが身銭を切らず手に入れられるものなので積極的に活用されるとよいでしょう。
控除率・ハウスエッジ・ハウスアドバンテージの無いゲームがあればやってみたい!
ハウスエッジが無いゲームなんてあるの?と思うことでしょう。
私が知る限り1つだけあります。それは「ダブルアップ」です。何のゲームにあるかはオンラインカジノを探してみないとわからないと思いますが。
これはメインゲームではなくて追加のサイドゲームです。ビデオポーカーや一部のスロットに存在を確認出来ると思います。
どういうことかというと、例えばビデオポーカーでプレイして3カードで勝ったときに「ギャンブルしますか?」と聞かれます。
トランプが1枚裏向きで出され、「黒 or 赤?」と聞かれます。あなたはこの賭けで勝てば先ほど2ペアで勝った報酬を2倍にすることができるのです。
このギャンブルだけに注目すれば単純に確率は50%、そして配当は倍。ハウスエッジが介在していないのです!なのでこのギャンブルに関しては私はトライすべきだと思っています。
※あくまで公平にこのギャンブルが行われるであろう、という前提ですが。そこだけはカジノを信じるしかない。