ビデオスロットのロジックの仕組み
オンラインカジノあるいはランドカジノにあるビデオスロットはモニターに映し出されたコンピュータグラフィックでゲームが進行します。
どのような仕組みでリールが回転してる風に見え、どんなロジックでアタリハズレが判定されているのか解説していきます。
とともに自分で作った簡易的なスロットも公開しました→デモ用スロット。
1.ビデオスロットを観察
2.回転しているように見えるリールはその都度生成
3.物理スロットマシンはリール上シンボル配列固定
4.抽選とリール生成ロジック
5.還元率は設定できる
6.報酬支払の性格
7.ボーナスやジャックポットの仕組み
オンラインカジノのビデオスロットを観察
私が良く遊んでるオンラインカジノのベラジョンカジノで人気のスロットHawaiian Dreamがありますが、それのリールの回転具合を録画してスローモーションで再生して観察してみました。
リールの動きは次のようになっていた。
スピンボタン押下
↓
リールゆっくり回転(画面に見えてるリールのとおり)
↓
高速リール回転(画面内早く見せる分身のグラフィックになり、上から下へ流れてる)
↓
リールゆっくり回転(さっきまでのリールと違って着地用のリール画像に切り替わり)
↓
リール着地(画面に見えてるリールのとおり)
となっているので、画面に見えてるリールは見せかけで、最終的な着地リールは別途生成していることは明白です。
つまり回転してるように見える部分は実はどうでもよくて、スピンボタンを押した直後に当選結果が決まっているということですね。
ビデオスロットの回転しているように見えるリールはその都度生成
ビデオスロットのリールは5本モノが多く、3本や6本も主流です。
リール上に乗っているシンボルとその配置パターンは予め決められていてそれが回転してるのではなく、スピンボタンを押したその都度新しいリールとシンボルの並びが生成されています。
コンピュータグラフィックなので無限のシンボル配置が可能なばかりか、様々な演出、フィーチャーも可能。
リールが縦に回転する以外にも横に動いたり、リールの本数や段数が増えたり、2x2マスのシンボルが落ちてきたり。進化したビデオスロットは多様な機能と見せ方を備えてギャンブラーを惹きつけます。
物理スロットマシンはリール上シンボル配列固定
一方でランドカジノにあるリールマシンは物理的なリールがそれぞれ別の軸で回転しています。
さすがに物理リール上のシンボルの配置は動かすことができないので、軸の異なるリールそのものがいつも同じシンボルの並びで回転しています。
現代のアタリハズレはスピン直後に抽選が行われアタリハズレが確定し結果にあわせてリールが止まるように設計されてるのが主流です。
しかし初期の頃のマシンはバネを使ってリールを回転させていたためリール着地後にアタリハズレの判定を行っていました。
アメリカで始まったスロットマシンは、当たりを判定する勝利ペイラインは真ん中の横一本のみ。コインを1枚投下して回転するスタイルでした。
その後、客単価アップを狙い上中下段の3本勝利ペイラインが登場、コインを3枚まで追加できるスタイルになりました。
ビデオスロットのペイラインは無限に可能
ビデオスロットはリール3本から多いもので10本のものも出ていますね。
勝利となるペイラインは横1本のシンプルなものから100本のものまで出現していて、ペイラインが多いほど1ゲームでの当たる確率は高くなります。
その代わり1ゲームあたりに賭けられるコイン数も1コインではなく100コインまでと賭け額も高くなりますが。
ビデオスロットの抽選とリール生成ロジック
ビデオスロットはプログラムで動作しますが、ではどのように抽選が行われリール上のシンボル配置が決められるのか解説しています。
スピンボタン押下直後に抽選が行われる
日本のパチスロと同じように先に抽選が行われ、それに合わせて結果のリールが生成されます。
難しいプログラムの用語を使うと、先にランダムジェネレーターを使ってランダムな数字を発生させてます。
シンボルには揃うと高配当のものもあれば低配当(安い小役)もありますよね。
当然安いシンボルは揃いやすく、高いシンボルは揃いにくく設定しています。
例えば安いシンボルJ、Q、K、Aなんかは20回に1回は揃う(当たる)確率で設定され、 高いシンボルの絵柄の[★]や[7]は50回、100回、1000回に1回当たる確率で設定されます。
例えばくじ引きを想像してください。数字1~1000が記載されたくじを引く。そのとき
950~999が出たらAAAの当たり
800~949が出たらKKKの当たり
・・・
1~700が出たらハズレ
のような内部設定がされているようなものをイメージしていただくとわかりやすいでしょう。
抽選結果に基づいて、着地するリール画面を生成
抽選の結果、内部でK-K-Kの当たりが決まったとしたら、それに基づいて演出用のリールを生成。
3x3マスのビデオスロットだとしたら、
J-Q-J
K-K-K
K-A-7
こんな形で真ん中のラインにK-K-Kで当たりを配置。リールが回転する演出と最後の着地のシーンに上の3x3マスを着地させる。
このような動作になるでしょう。
最もシンプルな3x3スロで真ん中横1本だけがアタリになるスロットで考えると上記のような仕組みが妥当です。
実際のビデオスロットはもっと複雑で5リール4段だったり、勝利になるペイラインが50本もあったりしますが。
ビデオスロットはプログラムで内部的に動いているので多様な当たり画面を生成できますし、固定リールでは無しえなかった複雑な当選の組み合わせや、演出も可能なのです。
ビデオスロットに目押しは無い?リール停止の仕組み
さて、ビデオスロットの最後の仕組み、それはリール停止の仕組み。
パチスロだと各リールに停止ボタンがついていて、それを押すことでリールを任意の場所で止める事ができます。(滑ったりもするけど)
一方でリールマシンやビデオスロットにはプレイヤーが自分でリールを止める機構は無いことが多い。
ランダムに、あるいは予め行われた抽選結果に従ってリールが停止するから。
昨今のビデオスロットはスピンボタンをもう1度押すことで全リールが止まる仕様になってるゲームもありますが、自分で止めてるように見えて実は結果は予め用意された画面が表示されているのです。
このへん、自分で停止させてる操作感が好きなスロッターは、ビデオスロットは敬遠してしまう人もいるようです。
ビデオスロットの還元率は設定できる
当然ですがカジノ側は利益を上げなければ運営できません。
そのスロットを回し続けると、途中で当たりが出るたびに報酬を支払う必要がありますが、一定の利益率(支払率)をキープできるように設計されています。
例えば以下のように各シンボルの当選確率と配当を設定すればよく。
当選率 | 何回に1回 | 配当 | 戻し | 還元率 | |
---|---|---|---|---|---|
赤7 | 0.2% | 500 | 100 | 101 | 20.20% |
A | 1.7% | 60 | 15 | 16 | 26.67% |
K | 3.3% | 30 | 4 | 5 | 16.67% |
Q | 5.0% | 20 | 2 | 3 | 15.00% |
J | 20.0% | 5 | 0 | 1 | 20.00% |
ハズレ | 69.8% | 1.43 | - | 合計 | 98.53% |
還元率は98.53%で設定できますよね。
還元率は論理的なので多少の上振れ下振れはありえますが、何千人何万人が毎日プレイしていればその確率&還元率に収束します。
そこでカジノは自信をもって一定の利益率を期待しているのです。
勝敗は歪みがあるから全てのプレイヤーが損をするわけではなく、たくさんの損したプレイヤーの上にわずかの大勝ちしたプレイヤーも存在する訳ですね。
また還元率を下げてカジノの取り分を増やそうと思えば、シンボル当たりの当選確率を減らすか当選時の報酬を減らすことで簡単に実現できます。
とは言えメーカーは1度設定した確率や還元率を変えることはほとんどありません。
ビデオスロットの報酬支払の性格
各シンボルの当たる確率と配当を微調整することで、ビデオスロットの報酬支払の性格を変える事ができます。
例えば以下のような。
①とても小役がたくさん出るスロット
②めったに当たりが出ないけど、1発当たるとデカイスロット
どちらも還元率は一緒でカジノ側が当て込む利益率も一緒だとしても、各々のプレイヤーがこのスロットに対して感じるアタリやすさや期待度は異なるでしょう。
個人的には①のように小まめに小役が出てほしいと思う方ですが、逆に②のように少ないベットで大金の可能性を好むプレイヤーもいるでしょうし。それぞれのマーケット向けに様々な性格(性格と言ってよいのでしょうか?)のスロットがあるのはプレイヤー満足度の向上になってると思います。
ビデオスロットのボーナスやジャックポットの仕組み
ビデオスロットには特別な「Scatter」と呼ばれるシンボルがあります。そのゲームのキャラクターやアイコンだったりします。
これはペイラインに揃わなくても画面内に着地することでボーナス獲得になるケースが多いですね。
そうすると一気に大量の賞金を吐き出すような仕様になってたりします。このボーナスの仕組みも先に行われる抽選で判定されます。
また、ジャックポットは「大当たり」の意味ですが、機能的にスロットに用意されている場合があります。
普段のスロットの仕組みとは別の抽選で特別な大当たりを獲得出来るものです。
メーカーやビデオスロットの機種で幾つかの種類があります。私が見てきた中だと次のようなもの。
・予め金額が決められた大・中・小のジャックポットを用意、特定の条件をクリアした人に払い出し
・特定のビデオスロットで全プレイヤーの負け額の数%を内部留保し、ジャックポットを当てた人に一斉に払い出す(プログレッシブジャックポット)
・特定のメーカー内のビデオスロットで〃
ジャックポットも人々を魅了する機能の1つと言えます。普段は777で1000倍が最大払い出しのスロットでも、今までのプレイヤーの負け額をプールしていて、100万倍もの払い出しを可能にすることもできます。
ひとたびジャックポットを払い出してしまうと、次の額が減額されてしまうので魅力が半減する場合もあるけど。
ジャックポットの積み立ての仕組み
ジャックポットは非常に大きな金額をプレイヤーに与えますが、カジノの経営を揺るがすような問題はありません。
還元率(RTP)88%のスロットなら毎回のプレイヤーの賭け金の12%がカジノ側の利益になります。 その中でプレイヤーの賭け金の5%をジャックポットにプールする仕組みにします。
画像はMegamoolah。最大JPは1000万ドル(10億円)以上!
論理的にはプレイヤーが$1000賭けるとプレイヤーに$880を戻し、カジノ側は$120の利益を出し、その中にジャックポットに$50が積立てされていくイメージです。
(例)100万ドルものジャックポットの裏にどれだけのプレイヤーが賭けをしているのでしょうか。
答えは計算すると2000万ドルです。プレイヤーが2000万ドル遊ぶと、そのうちの5%=100万ドルが積立てられます。 そのときカジノの利益は7%なので140万ドル。プレイヤーへの支払は1760万ドルになる見込みです。
以上、ビデオスロットの内部ロジックの仕組みの話でした。仕組みを知った上で遊ぶとより楽しめる(あるいは逆につまらないと思う?)かもしれませんね。