どうもハイエナおじさんです。この記事ではIR整備法(通称カジノ法)の情報についてまとめ、更新していきます。

これまでのカジノを取り巻く法律がらみの出来事や、現在誘致を目指す自治体、そのニュースについて整理しています。

IR整備法(カジノ法)がらみで最近の出来事

2019年12月25日、自民党衆院議員が賄賂の容疑で逮捕の一報が全国をかけめぐった。
中国企業で日本のIR事業への参入を狙う500ドットコム(NYSE上場)から現金を受け取ったり、中国視察の旅費代、カジノのチップ代などで数百万円を受け取っていたとされる。

IR整備法(カジノ法)の現在の状況とこれからの日程

IR開業までの流れとしてIR整備法ならびに施行令には概ね以下の流れが書かれている。

  1. 1.IR地域の認定や事業者の認定基準を定める基本方針(IR実施法の補完的な位置づけ)の案を公表(2019年9月)パブリックコメントを求めた。
  2. 2.カジノの規制や監督を行う「カジノ管理委員会」の設置 → 2020年1月7日に済
  3. 3.カジノ委員会の審査を経て「基本方針」を決定、再三の延期の結果2020年7月までに策定、公表する予定。
  4. 4.ここから自治体の誘致活動が本格化する。誘致を目指したい自治体は基本方針に従って運営事業者の選定をして事業者とともにプロジェクトの計画を策定、国へ申請する。(2021年1月~7月か)
  5. 5.最終的には最大3か所の自治体の決定が2021年中になる見通し
  6. 6.2020年半ばには開業する

という流れになっている。

IR整備法(カジノ法)の要点をまとめ

カジノ管理委員会

政府は2020年1月に半年以上の延期を経てカジノの規制や監督を担うカジノ管理委員会を発足させた。カジノ管理委員会は内閣府の外局として設置。委員長1人と委員4人+事務局95人の合計100人で構成される。IRは都道府県か政令市が国に対して申請できるが、基本方針に則り経済効果やギャンブル依存症対策などの基準をクリアしているか審査される。

基本方針

基本方針案によると国が認定する3か所の評価基準は以下の5項目挙げられている。

1.国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現
2.経済的社会的効果
3.IR事業運営の能力・体制
4.カジノ事業収益の活用
5.カジノ施設の有害影響排除

政府はIR整備にあたっての基本方針の公表を2019年4月、2019年夏、参院選以降、と再三先送り。IR汚職問題もあり2020年7月までに公表したい考え。

国は2021年1月~7月まで自治体からの誘致申請を受け付けるとした。21年中に国内3か所の自治体を認定し20年代半ばの開業を目指すが、IR汚職問題によりいくばくかのトーンダウンは否めない。

IR運営に必要な施設

IR整備法の基本方針とIR整備法施行令では以下の5施設を併設することを定めている。

・MICE施設(国際会議場、展示場)
・カジノ
・日本の魅力を発信する施設(劇場、演芸場、音楽堂、競技場、映画館、博物館、美術館、レストランその他の施設)
・観光旅行の促進につながる施設(日本のその他の地域の観光魅力を伝える施設と、旅行手配が出来る施設)
・宿泊施設

IR施設は面積でいえばMICE施設、宿泊施設のほうが大きくなる。カジノの面積はIR総面積の3%と定め、ホテルの面積は10万m2以上、国際会議場は(1000人以上)収容と定めた。カジノ広告は外国人観光客むけのみを認めて場所は空港の国際線周辺に限定。この他、日本の文化を伝える施設の併設を求めている。

IR整備法やカジノに関わる問題点や課題

2020年代半ばの開業を目指しているものの、問題点や課題は山積みの状況だといえる。

自治体の調査によればカジノ賛成反対意見では反対数の方が常に多い集計結果となっている。

懸念事項の代表格はやはりギャンブル依存症、反社会勢力の2つが挙げられる。

ギャンブル依存症対策

自己制限を設けることとしている。これはギャンブル依存症は本人の意思ではやめられないことを鑑みて、本人や家族からの申し出によってカジノ事業者側が入場を制限する。日本人現金のみチップ交換可能とされるが、カジノ事業者が客に金を貸せる仕組みも導入される予定。ギャンブル依存症や借金、家族を巻き込んでの破産問題は解決されていないといえる。

反社会勢力の排除

マイナンバーカードを用いての入場管理と反社会勢力の排除を行う。

マネーロンダリング対策

マネーロンダリング対策ではCTR(現金取引報告)を導入。100万円以上の現金とチップを交換した客がいれば国へ報告させることを義務付けた。

日本人へのカジノ規制

入場回数制限 7日間で3回、28日間で10回
本人確認 マイナンバーカードを用いて確認
入場料 6,000円
依存症対策 日本人は現金のみ利用可。本人または家族からの申し出で利用制限。

IR(カジノ)誘致を目指す自治体の一覧

最新情報では次の自治体が誘致を目指している。

・大阪府・市(夢洲)
・長崎県(ハウステンボス)
・横浜市(横浜・山下ふ頭)
・和歌山県(マリーナシティ)
・東京都(お台場かベイエリアか)
・愛知県(常滑市)

【中止・断念を発表】
・北海道(苫小牧)
・千葉市(幕張新都心)

IR誘致に積極的な大阪の状況

大阪はIR地域として最も積極的に誘致活動を繰り広げてきた地域

大阪府の松井知事と大阪市の市長とともに連携をくんで誘致活動を行ってきた。夢洲と呼ばれる人工島にIRを設置したいと発信している。

大阪は2025年に国際博覧会(万博)の開催が決定していて、当初は万博の前の2024年にはIR開業を目指しておりインバウンド特需、雇用創出など地域経済活性を図っていたが、国の基本方針策定、認定申請の募集開始が遅れ、残念ながら現在は万博後のIR開業にむけて準備を進めざるを得ない状況に。

当時から大阪ではIRに関わる透明性を表明していて、外国企業と何回会ったとか、そういう部分を府民にもわかるように、汚職のきっかけにならない取り組みをしてきた。

海外カジノの外資系企業も積極的に大阪にアプローチを展開。マカオのメルコ・リゾーツエンターテイメントは多額の寄付を行っているし、MGMリゾーツ・インターナショナルはオリックスと提携して共同での参画を予定している。

基本構想案

大阪IR構想はのべ床面積100万平方メートル、国際会議場、展示場、和の施設、カジノを含める。年間売上は4800億と試算、そのうち3800億がカジノの売上としている。カジノが占める敷地面積は3%だが売上高では7割も占める

他国のカジノで言えば、シンガポールにはマリーナベイサンズとリゾートワールドセントーサがあるが両方合わせて年間売上5400億、それにせまる試算ということになる。また他方のデータを見れば東京ディズニーランドが4700億。

大阪IRの年間入場者数は2480万人を想定。これも年間3000万人超の来場者数を誇るディズニーと比較すると規模の大きさがわかる。とくにカジノ利用客は590万人としていることから一部のVIP客からの売上を相当額見込んでいることもわかる。

経済波及効果は年7600億/年、雇用創出効果は8万8千人/年とした。また大阪府、大阪市に入る税収は700億(入場料、事業者の納税)になる見込み。

2019年6月大阪はIR事業者を公募開始。

2019年12月事業者の募集要項、審査基準を公表

2020年6月頃には運営事業者を選定。2021年秋ごろには土地の引き渡しと工事着工、2026年度末までの全面開業を前提としたスケジュールとなっている。事業者の選定基準も公表された。まず透明性、公平性に配慮した審査を行うために選定委員会を設置。

参加資格要件には、社会的信用、財務面の担保、税金対応、暴力団の排除が明記。クリアした事業者が、提案書の審査へと進む。

提案書の審査大項目

・独自性のあるコンセプト、計画、運営
・安定した事業体制と財務力
・国際観光拠点の創出
・まちづくり、雇用、地域貢献
・ギャンブル依存症対策、治安、風俗環境、防災対策

となっていて全部で1000点満点。

以下の3社が参入を目指している
MGMリゾーツ・インターナショナル
ギャラクシー・エンターテインメント
ゲンティン・シンガポール

西の玄関、長崎からのIR構想

長崎県は佐世保市のハウステンボスにIR誘致を目指したいとしてきた。

ハウステンボスはすでにアミューズメントやホテル施設が既に充実しており開発済の用地であることも大きい。認定されればすぐの再開発と投資回収も見込める。2019年では年間入場者数は254万人とされ家族連れにもアピールしやすい。

世界初となる海中カジノの構想も興味深い。2019年4月、県、市、ハウステンボス社の3者で合意に達し、ハウステンボスの土地30ヘクタールを売却することで合意。IR設備予定地はハーバーゾーンと呼ばれるエリアを予定。マリーンリゾートの演出に最適。

長崎は日本国土で言えば南西に位置し、半径1500㎞圏内には国内国外あわせ10億人が居住、アジアへのアピールにもなる。クルーズ寄港実績、空港機能も充実。九州全体で見れば観光資源や世界文化遺産もユネスコ無形文化遺産もある。アジア外国人のゲートウェイとなりインバウンドを引き込む計画。

特に県内有権者のIR賛成派は46.6%で、反対派が38.2%よりも多いのも後押しとなっている。

2019年10月には九州・長崎IR 基本構想案を公表。

県は参加登録とコンセプト募集を開始。3事業者からの提案があった。
・香港のオシドリ・インターナショナル・ホールディングス
・カジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパン株式会社
・マカオ等でIR運営に関わるCURRENT株式会社

横浜市もIR誘致を発表、地元民の理解得られるか

横浜市の状況をウォッチしてきたが、当初はIR誘致の姿勢を見せていたが、地元港湾業者の反対が強く、市長は態度保留を続けてきた。

2019年5月に横浜カジノ誘致の最有力地とされる山下ふ頭では、カジノ無しで再開発を目指す「横浜港ハーバーリゾート協会」が設立。横浜の林文子市長は「白紙」として態度保留を続けていたが、改めてくぎを刺し反対する姿勢を明確に打ち出した状況となっていた。

市長は態度を明確にしないままでも民間企業からの情報収集(経済効果や依存症対策を含め)を行っていたが、2019年8月22日に急に前向きな誘致活動に舵をきりはじめ正式に発表。かねてより候補地に挙がっていた山下ふ頭で開業を目指すことに。面積は47万㎡、年間税収として最大1200億円を見込む試算を出した。IR法やカジノ関連の横浜のニュースを見ていると度々登場するのがハマのドンと呼ばれる、藤木横浜港運協会長がこれに大反対。神奈川新聞の市民調査によれば反対が63.85%、賛成は25.7%。横浜では経済界においても反対派の方が多く難航が予想される。

和歌山でもIR誘致を目指す

和歌山県でもIR推進派による誘致活動が行われている。大阪のすぐそばにある県でなぜIR誘致を頑張っているのか疑問に思うところ。

和歌山の候補地は和歌山マリーナシティという人工島ですでに場所は完成していて開業はスピーディいできるのが強みとしている。海、山をはじめ多様で国際的な観光地もありリゾート型のIR誘致を目指す。敷地面積は20万5000㎡。

2018年10月には基本構想改訂版を出している。

シンポジウムも開催しているが大阪ほど前のめりではないように見える。

東京都

もともと日本のカジノ構想は元東京都知事の石原慎太郎氏がブチ上げたお台場カジノ構想だったが、現時点ではIR事業構想は白紙状態に。ところで政府が掲げたIRの客室総面積10万㎡というところに築地市場跡地(23万㎡)が適合することから、築地跡地でのIR開業を推す声もあるとか。また東京ベイエリアでのIR誘致の提案も官民連携チームから行われた。カジノ誘致はこれから本格化する可能性がある。

愛知県

愛知県は中部空港(常滑市)へのIR誘致を検討しているが、名古屋市は名古屋市で長島リゾートでのIRを検討しているとして、足並みが揃っていない。ちなみにナガシマリゾートは三重県なので、三重県にも声をかけ協力関係を模索したい様子。だが三重県は前向きにはなっていない。

2019年12月、愛知県がIR事業可能性の検討にかかる意見募集を開始した段階。

北海道、観光資源を活かしつつIR誘致を目指すも誘致断念

北海道は当初はIR誘致に積極的。とくに空港から近い苫小牧市が最有力とされていた。日本列島の北部にもIRがあるということはバランスが良いと思えた。

早くから外資系企業も北海道に来て積極的な発信を行って、運営受託を目指してきたが北海道は2019年11月、誘致断念を表明した。

断念の理由は1つ。天然記念物など自然保護への配慮を行うことが今回の国がIR認定3か所を決定するまでに間に合わないと判断したということ。現時点では断念したが将来(今回の3自治体認定後の何年後になるかわからないが)に向けた可能性までは否定していない。

台風からの復旧を急ぎIR誘致を見送る、千葉県

千葉県が検討中としていたエリアは幕張新都心。ちばぎんの調べによると地元民の56%近くが反対、賛成は21.2%と反対の方がだいぶ多い。地元の反対が根強い中、2019年7月には民間事業者から事業構想を募集、カジノ誘致の経済的効果やカジノの懸念事項を集め始めたため千葉市として前向きな情報収集をスタート、2019年度中に調査結果をもとに誘致を目指すか否かの判断をするとしていた。

2020年1月、千葉市としてIR誘致を今回は見送ることを発表。2019年に発生した台風の影響でまだ千葉各地での復旧が進んでいないことに言及。復旧復興を最優先としてIRは見送ったが、将来の可能性の余地を残した格好となっている。

沖縄

気になるのは沖縄でのIRではないかと思う。当初は沖縄県はIR地域の有力地とされていたが、翁長知事が当選して(2014年)から誘致は立ち消えになってしまった。手を上げていれば現在でも有力な候補地となっていたのではないかと考える

IR参入を目指す民間企業の動向

  • 米カジノ大手ウィン・リゾーツ・デベロップメント
    世界一大きいIRをつくると息巻いている。東京、横浜で検討。
  • オリックス
    米大手MGMリゾーツ・インターナショナルと提携、国内企業としては初のIR参入を表明
  • MGMリゾーツ・インターナショナル
    米ラスベガスのIRではカジノの売上は全体の3割程度とし、カジノ依存の財務体質ではないと主張。
    それを日本でも同様に実現していくとし、オリックスと提携。
  • フランスのIR事業者ルシアン・バリエール
    和歌山市の人工島「和歌山マリーナシティ」へのIR誘致を実現するべく市内に事務所を設立。
  • ラスベガス・サンズ
    当初大阪を含めた東京、横浜でのIR開発を表明していたが大阪は撤退。新型コロナウィルスの影響で日本での参加を全て撤退。
  • 米シーザーズ・エンターテインメント
    2019年8月に日本でのIR事業への参画を中止すると発表。
  • メルコリゾーツ&エンターテインメント
    2019年9月IR参入を横浜市に限定、大阪での事業参画は中止と発表。
  • ハードロック・インターナショナル
    苫小牧市で5500億を投資する考えを示す(2019・1)支店を開いた(2019.4)
  • ラッシュ・ストリート・ジャパン
    米国での地方IRの実績あり、苫小牧市でPR
  • SJMホールディングス
    マカオ40年のIR運営実績をひっさげて苫小牧に接近。
  • 米カジノ大手モヒガン・ゲーミング・エンターテインメント
    苫小牧でのIR事業案を発表、投資額は4900億になると予想。

IR関連法の整理

ちょっとした用語を整理。

IR推進法というのはIRの実現に向けて推進いていくための法律ということで2016年7月に施行。IR(特定複合観光施設区域)推進法が正式名称だけど、カジノ推進法などと呼ばれてしまっていた。

2018年7月にIR整備法(通称 IR実施法、IR法)が成立。これを持って具体的にIRを実現していくことが進みだした。ひとまず全国で最大3カ所の地域にIR施設を認定することが決まった。より将来にはIRの認定地域が増えるかもしれない。この時点で手を上げた自治体は北海道、大阪、和歌山、長崎の4か所。東京、横浜、千葉は表明していなかった。

オンラインカジノへの影響を考察

こればかりはなんとも。IRとは別で国としてはいつでもオンラインカジノNGの判断は出せると思うが検討すらされていない様子。
IRやカジノの機運が高まればオンラインカジノプレイヤーは増えると予想する。その時に法が整備されるかもしれない。

ちなみに海外のオンラインカジノもNGになったら当ブログは閉鎖‥じゃなくて海外居住日本人向けサイトとしてリニューアルすることになるはず。