スリーカードポーカーのルールと最適戦略
ここではポーカーゲームの中でもプレイヤーへの還元率が高いと言われているスリーカードポーカーについて解説していきます。
元々ポーカーは5枚のカードで勝負するゲームですがこのルールでは3枚のカードで勝負をするゲームとなっています。シンプルであり誰でも楽しめるということで本場カジノでも人気の様子です。
スリーカードポーカーの画面説明
ここではビデオゲームのスリーカードポーカーの画面を見ながら説明していきます。
画面の向こう側がディーラーで、手前側がプレイヤーです。このゲームはプレイヤーは自分1人しかいませんが最大3ハンドまで展開して遊ぶことができます。
画面右下にチップがありますので、これを選択して賭ける形です。
テーブルの手前に「ANTE」「CALL」「P+」と表示されている部分が見えるでしょう。これらについて説明していきます。
スリーカードポーカーの遊び方とゲーム進行
まずゲームを始めるには「ANTE」にチップを置くことになります。これは参加料に相当します。
同時に「P+」にもチップを置く事ができます。これはサイドベットでして、ポーカーの勝敗以外での賭けなので後の方で詳しく書きます。
チップを置いたら「DEAL」を押してゲームが開始されます。
プレイヤーに3枚のカードが開かれて配布され、続いてディーラーに3枚のカードが裏向きで配布されます。
勝負をするか降りるかを判断する
他のポーカーゲームでもそうですが、勝負(RIDE)か降り(FOLD)かがプレイヤーに選択肢が与えられます。
プレイヤーは自分の手札を見て、ディーラーより強そうだと思えば「RIDE」を押します。いわゆるコールする、ということになります。
それによって自動的にテーブルの「CALL」エリアにANTEと同額のチップを置き勝負になります。これはコールベットと呼ばれます。
自分の手札がディーラーより弱そうだと思えば「FOLD」を選択してこのゲームをオリることができます。オリた場合はANTEに賭けたチップは没収されます。
勝負スタート
ディーラーの裏向きの3枚のカードがオープンにされ、プレイヤーとの勝負になります。勝負は役の強さで決まります。
スリーカードポーカーの「役」について
スリーカードポーカーは使用するカードが5枚ではなく3枚なので、役の種類も普通のポーカーとは違うのです。ここで役について整理します。
ブタ(役無し)を含めると強い順に以下の7つがあります。
- ストレートフラッシュ
- スリーカード
- ストレート
- フラッシュ
- ペア
- クイーンハイ以上
- ブタ
それぞれどのようなカードが役に該当するか詳しく図で見ていきましょう。
ストレートフラッシュ
スリーカード
ストレート
フラッシュ
ペア
クイーンハイ以上
ブタ
クイーンハイ以上ってなんだろう、と思った方も多いと思います。
実はディーラーにも「オリ」に相当するものがありまして。それがこのクイーンハイ以上と定められています。
つまりディーラーはクイーンハイ未満であれば「ノットクオリファイ」で資格無しといって勝負にいきません。
もしプレイヤーがANTEに賭けてコールしてもANTEに対してしか配当金が頂けない訳です。
スリーカードポーカーの役の強さについて
ストレートフラッシュ>スリーカード>ストレート>フラッシュ>ペア>エースハイ>キングハイ>クイーンハイ>ノットクオリファイ
このような順番です。普通のポーカーと違うのはストレートよりフラッシュの方が弱く、フラッシュ・ストレートのどちらよりもスリーカードの方が強いということですね。
役が同じ場合は保有する数字の強さ順です。数字の強さは通常のポーカーに準拠します。つまりA>K>Q>J>10>~>2となります。
スート(絵柄)による強弱はありません。
プレイヤーもディーラーも同じ役の場合は以下のように勝敗が決定されます。
役 | プレイヤー | ディーラー | 勝敗 |
---|---|---|---|
ストレート | ♥J♠10♦9 | ♠7♥6♣5 | プレイヤーのJが一番高位のカードなのでプレイヤーの勝ち |
フラッシュ | ♣Q♦J♥7 | ♠K♦2♥5 | ディーラーのKが一番高位のカードなのでディーラーの勝ち |
ハイカード | ♦K♥2♠3 | ♦Q♣J♥7 | プレイヤーのKが一番高位のカードなのでプレイヤーの勝ち |
クイーンハイ | ♠Q♥6♦5 | ♦Q♥8♠3 | プレイヤーのQとディーラーのQがタイ(引き分け)なので、次の高位カードで見てプレイヤーは♥6に対しディーラーは♥8でディーラーの方が高いのでディーラーの勝ち |
クイーンハイ | ♦Q♠J♥2 | ♣Q♣J♦3 | プレイヤーのQとディーラーのQがタイ、その次のプレイヤーの♠Jとディーラーの♣Jもタイ、その次のプレイヤー♥2とディーラー♦3により、ディーラーの方が高いのでディーラーの勝ち |
スリーカードポーカーの配当金と貰い方について
ここでは配当金について整理します。
このゲームには3か所の賭けるエリアがあったことを思い出してください。すなわち「ANTE」「CALL」「P+」の3つです。
「P+」についてはペアプラスと呼ばれ、自分の3枚のカードの合計がペア(つまりワンペア)以上の役であることに賭ける、というものです。
自分の手がワンペア以上であればディーラーとの勝負がどうあれ配当金が頂けます。
配当金の貰い方ですが、
・ディーラーがノットクオリファイ
・ディーラーとの勝負に勝つ
・ペアプラスを当てる
この3種類において配当金を頂くことができます。
頂ける配当金は以下の4つの合計です。
・ANTE
・コール
・ANTEボーナス
・ペアプラス
スリーカードポーカーの配当表
ANTEボーナスとペアプラスの配当表は以下に示します。
ANTEボーナス
配当倍率 | |
ストレートフラッシュ | 5対1 |
スリーカード | 4対1 |
ストレート | 1対1 |
ペアプラス
配当倍率 | |
ストレートフラッシュ | 40対1 |
スリーカード | 30対1 |
ストレート | 6対1 |
フラッシュ | 4対1 |
ペア | 1対1 |
スリーカードポーカーの配当のルール
配当金ルール | ANTE | CALL | ANTEボーナス | ペアプラス |
---|---|---|---|---|
ディーラーノットクオリファイ | 1 | PUSH | 配当表に従い | 配当表に従い |
プレイヤー勝利 | 1 | 1 | 配当表に従い | 配当表に従い |
ディーラー勝利 | 没収 | 没収 | 配当表に従い | 配当表に従い |
スリーカードポーカーの配当ケーススタディ
ディーラーがノットクオリファイ①(つまりクイーンハイ未満だった)
この場合はディーラーが勝負の資格無しということになります。
ANTEは1:1で払い出され、CALLベットが返却(PUSH)されます。
ANTEボーナスとペアプラスは配当表に従って支払われます。
例)ANTE、P+、CALLにそれぞれ$1をベットした以下のケース
ディーラーは♥10♦9♥6でノットクオリファイ
プレイヤーは♠3♠J♥7でブタだけど最高位がJのカードがある
ANTEの$1に対して$1が支払われます・・・賭けた$1と合わせて$2の戻し
CALLベットの$1はPUSHされるので・・・$1の戻し
ペアプラスに賭けた$1は没収です。
合計$3が戻ってきているのがわかります。
ディーラーがノットクオリファイ②のケース
同じくANTEとP+に$1をベットし、コール($1追加)した場合
ディーラーは♥5♥3♠9でノットクオリファイ
プレイヤーは♦3♠K♣Kでワンペアが出来ました。
ANTEの$1に対して$1が支払われ・・・$2の戻し
CALLベットの$1はPUSH・・・$1の戻し
ペアプラスの$1に対して、配当表に従って1倍の$1が支払われます・・・$2の戻し
これは$3をベットして$2の利益となっていますね。
ディーラーとの勝負に勝つ①(クイーンハイ以上)
お互いに役は出来ずハイカードで勝負したケースも見ておきましょう。
ANTEは1:1で支払われ、CALLベットも1:1で支払われます。
しかし自分にペア以上が出来ていないのでペアプラスに賭けたお金は没収されます。
例)
ディーラーは♥K♦5♦3のキングハイ
プレイヤーは♠9♣A♥Qのエースハイで勝利
ANTEの$1に対して1:1なので$1が支払われ・・・$2の戻し
CALLベットの$1に対しても1:1なので$1が支払われ・・・$2の戻し
となっています。$3のベットに対して$4の戻しなので利益は$1ですね。
ディーラーとの勝負に勝つ②(ディーラーがクイーンハイ以上だった)
この場合はプレイヤーもディーラーも勝負に出て、プレイヤーが勝ったということです。
ANTEは1:1で支払われ、CALLベットも1:1で支払われます
ANTEボーナスとペアプラスは配当表に従って支払われます。
例)ANTE、P+、CALLにそれぞれ$1をベットした以下のケース
ディーラーが♠4♥A♠2でエースハイ
プレイヤーは♣6♥4♥5でストレートが出来ています。
ANTEの$1に対して、$1が支払われます・・・賭けた$1と合わせて$2の戻し
ANTEボーナスは$1に対してストレートは$1が支払われます・・・$1の配当
CALLの$1に対して、$1が支払われます・・・賭けた$1と合わせて$2の戻し
ペアプラスは$1に対してストレートは6倍なので$6が支払われます・・・$7の戻し
$3を賭けて$12の戻しなので利益は$9ということになります。
このようになっています。
スリーカードポーカー攻略!確率と最適戦略
まず前提ですがスリーカードポーカーは1デック(52枚)のカードでゲームが行われ、毎ゲームごとにシャッフルされます。
スリーカードポーカーの確率
52枚のカードから3枚を引く組み合わせの総数は52C3=22100通りとなります。
それぞれの役がどれぐらいの確率で出現するのか求めてみましょう。
・ストレートフラッシュ
同じ絵柄のストレートのことですね。ストレートは以下の12通りです。
[A][2][3]
[2][3][4]
[3][4][5]
[4][5][6]
[5][6][7]
[6][7][8]
[7][8][9]
[8][9][10]
[9][10][J]
[10][J][Q]
[J][Q][K]
[Q][K][A]
これが絵柄4種なので48通り。
・スリーカード
以下のように同じ数字を3枚引くのがスリーカードです。
[A][A][A]
[2][2][2]
[3][3][3]
‥
[K][K][K]
これは4枚ある[A]の中から3枚を引く組み合わせなので4C3=4通り。 これがA~Kまで13種あるので4×13=52通りです。
・ストレート
ストレートは以下のように4つの[A]から1枚、4つの[2]から1枚、4つの[3]から1枚取るので4×4×4=64通りあります。
♥[A][2][3]
♠[A][2][3]
♦[A][2][3]
♣[A][2][3]
これが[A][2][3]~[Q][K][A]まで12通りあるので、64×12=768通りですが、 768からストレートフラッシュの48とおりを引かないといけないので、768-48=720通りです。
・フラッシュ
フラッシュは3枚とも同じスート(絵柄)なので、
例えばハート13枚から3枚を取るのは13C3=286通りです。
同様にスペード、ダイヤ、クラブもあるので286×4=1144通り。
この中からやはりストレートフラッシュの重複分を引くので1144-48=1096通りです。
・ペア
ペアは配布される3枚のカードのうち2枚が同じ絵柄です。
例えば4枚のAから2枚取るとすれば4C2=6通りです。
3枚のカードのうち残り1枚は残48枚から1枚をとるので48通り。6×48=288通りです。
これがA~Kまで13通りあるので288×13=3744通り。
・役無しの総数は
全パターン22100から上記すべてを引いた数なので16440通りです。
・クイーンハイ
クイーンハイは役無しブタのなかでも最高位カードが[Q]であるものです。
これは結論から言えば2640通りあります。
出し方は全部のパターンをエクセルで表してみました。 こちらの画像のoのところがクイーンハイです。
以上のことからすると以下の表のように整理できます。
役 | 総数 | 確率 |
---|---|---|
ストレートフラッシュ | 48 | 0.21719% |
スリーカード | 52 | 0.23529% |
ストレート | 720 | 3.25792% |
フラッシュ | 1096 | 4.95928% |
ペア | 3744 | 16.94118% |
クイーンハイ以上 | 9720 | 43.98190% |
クイーンハイ未満 (ノットクオリファイ) |
6720 | 30.40724% |
クイーンハイ以上というのはディーラーが勝負の資格ありのことです。クイーンハイ、キングハイ、エースハイの合計です。
クイーンハイ以上の内訳も表示すると以下のようになります。
役 | 総数 | 確率 |
---|---|---|
ストレートフラッシュ | 48 | 0.2172% |
スリーカード | 52 | 0.2353% |
ストレート | 720 | 3.2579% |
フラッシュ | 1096 | 4.9593% |
ペア | 3744 | 16.9412% |
エースハイ | 3840 | 17.3756% |
キングハイ | 3240 | 14.6606% |
クイーンハイ | 2640 | 11.9457% |
クイーンハイ未満 | 6720 | 30.4072% |
スリーカードポーカー戦略
スリーカードポーカーを攻略するための戦略として2つの視点から考えられます。
1.コール戦略:いつコールして、いつフォールドするか
2.ペアプラスに賭けるのか
この2つだと思います。
まずペアプラスを見てみましょう。
ペアプラスに賭けるのか否か
このゲームでペア以上が出る確率は25.61086%というのが明確になっています。およそ4回に1回はペア以上が出るよね、という確率ですね。
例えばペアプラスに$1を10000回賭けたとしましょう。
確率に従えばストレートフラッシュは22回出て、スリーカードは24回出ます。ストレートは326回出て、フラッシュは496回、ペアは1694回出ることが予想されます。
この時の配当金を掛け算すると以下の表のようになります。
役 | 総数 | 確率 | 配当 | 1万回中 | 利益 |
---|---|---|---|---|---|
ストレートフラッシュ | 48 | 0.0022 | 40 | 22回 | $869 |
スリーカード | 52 | 0.0024 | 30 | 24回 | $706 |
ストレート | 720 | 0.0326 | 6 | 326回 | $1955 |
フラッシュ | 1096 | 0.0496 | 4 | 496回 | $1984 |
ペア | 3744 | 0.1694 | 1 | 1694回 | $1694 |
2561回 | $7207 |
1万回賭けたときに手元に戻るのは$7207ですので、およそ$2793の損失となってしまいます。
このことからもペアプラスには賭け無い方がよい事がわかります。
とはいえストレートフラッシュやスリーカードの配当は魅力的なので、3回続けてペア以上が出なければ次のゲームでペアプラスに賭けてもよいかなとは思います。
いつコールして、いつフォールドするか、コール戦略
スリーカードポーカーの最適戦略として有名なのですが[Q][6][4]以上であればコールというのが上策です。
[Q][7][X]や[Q][6][5]はコールです。その下の[Q][5][X]や[Q][6][3]はフォールドです。
勝負の行方によって以下表のように損益が発生します。ANTEとCALLに$1ずつベットした場合ですね。一番下のプレイヤーフォールドはANTEが没収なので必ず-1になります。
損益 | |
---|---|
ディーラーノットクオリファイ | +1 |
プレイヤー勝利 | +2 |
引き分け | ±0 |
負け | -2 |
プレイヤーフォールド | -1 |
[Q][6][3]でコールした場合の期待値を計算すると‐1.003を下回りますが、[Q][6][4]でコールした場合の期待値は-0.994となり、フォールドして降りる(-1)よりもやや得をするのです。
例えば
プレイヤーが♠Q♥6♠3を引いたときに、ディーラーは残りの49枚から3枚を引くので、総数は49C3=18424通り。
このときノットクオリファイが5747通り、プレイヤー勝利は268通り、引き分けが25通りで、プレイヤー負けが12384通り。
一方
プレイヤーが♠Q♥6♠4を引いたときは、ノットクオリファイが5758、プレイヤー勝利が302、引き分け25、プレイヤー負けが12339通り。
期待値としては以下のようになります。
プレイヤーハンド | ノットクオリファイ | プレイヤー勝利 | 引き分け | プレイヤー負け | 期待値 | |
---|---|---|---|---|---|---|
♠Q♥6♠3 | パターン数 | 5747 | 268 | 25 | 12384 | |
確率 | 0.311930091 | 0.014546244 | 0.001356926 | 0.672166739 | ||
損益 | 1 | 2 | 0 | -2 | ||
期待値 | 0.311930091 | 0.029092488 | 0 | -1.344333478 | -1.003311 | |
♠Q♥6♠4 | パターン数 | 5758 | 302 | 25 | 12339 | |
確率 | 0.312527139 | 0.016391663 | 0.001356926 | 0.669724273 | ||
損益 | 1 | 2 | 0 | -2 | ||
期待値 | 0.312527139 | 0.032783326 | 0 | -1.339448545 | -0.994138 |
なので[Q][6][4]以上であればフォールド(期待値は常に-1)よりは良いので、コールするのが最適戦略とされています。
ということで以上です。